令和4年度地方労働行政運営方針の中で、需給調整事業担当部署における施策が公開されています。そこでは、法の周知を徹底するとともに、的確かつ厳正な指導監督を実施し、派遣労働者や求職者等労働者が安心・納得して働くことができる環境の整備に努めるとしています。

需給調整事業担当部署では、労働者派遣事業と職業紹介事業を管轄しています。そのため、令和4年度は、以下のように民間人材ビジネス等に対する厳正な審査及び指導監督を実施することを明らかにしています。

1.許可・届出制の制度周知と厳正審査
職業紹介事業及び労働者派遣事業を行うためには、許可または届出が必要であり、適正な事業運営が行われるよう、許可または届出の段階で、制度周知の徹底と厳正な審査を実施する。

2.派遣労働者の均等・均衡待遇
派遣労働者の同一労働同一賃金を含む均等・均衡待遇の実施について、すべての派遣契約において措置される必要があることから、その運用が適正に行われるよう、集中指導を実施します。また、労働者派遣契約の中途解除、不更新については雇用安定措置を適切に果たすよう指導を実施します。

3.労働者派遣事業者に対する指導監督
悪質な違反を行った事業者や違反を繰り返す事業者、また、いわゆる偽装請負や多重派遣を行う事業者に対しては、行政処分、勧告・公表を含む厳正な指導監督を実施します。個別の指導監督、業界団体と連携した周知活動や集団的な指導を効果的に実施します。

4.職業紹介事業者に対する指導監督
金銭等を提供して行う求職の申し込みの勧奨が行われていないことの確認のほか、労働条件の明示、紹介実績の情報提供や従業員教育の実施状況、帳簿書類に必要な

厚生労働省職業安定局需給調整事業の調べによると、令和元年度の派遣元指導監督件数は、11,614件（対前年度比14.5％増）となっています。うち是正指導率は52.8％と2件に1件は、文書による指導が行われています。この割合は、許可事業であることを踏まえて考えるとかなり高い割合といえると思います。

令和2年度、令和3年度は、新型コロナウイルス感染拡大により、指導監督件数は抑えられていると予想されていますが、令和4年度は、新型コロナ感染も落ち着き、行政の指導監督割合は、前年度、前々年度より増やす意向を示しています。

まずは、派遣元事業主が労働局による指導監督を受けても、是正指導されない状況を作る必要があります。ポイントは、労働政策審議会労働力需給制度部会が令和2年7月15日に公表した「労働者派遣制度に関する中間整理」おいて、以下の課題をあげて、派遣元事業主への厳正な指導監督を中心として、当該事業に関わる関係者に対する制度周知や指導監督を図ることが必要としています。

（1）労働者派遣事業の健全な育成について
（2）派遣労働者のキャリア形成支援について
（3）労働力需給調整機能の在り方について
（4）法令違反委対処するための措置について
（5）その他の課題について

・特定目的行為の禁止について
・派遣労働者の苦情の相談先について
・派遣元管理台帳及び派遣先管理台帳の保存期間について

そのためには、派遣元事業主は、平成24年改正法、平成27年改正法の内容を表面的に理解するのではなく、実務に使える知識として定着させなければならないのです。

この2年間は、当社の会員組織であるビジネスパートナーの会会員の皆様を対象としたオーディオセミナーを通じて、非対面型の社員研修を提供してきましたが、新型コロナウイルス感染が落ち着いたこともあり、当社では、2年ぶりに対面研修を開催することといたしました。

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今回の研修内容は、令和4年度労働局の指導監督のポイントのひとつである、派遣受入期間制限、雇用安定措置、労働契約申込みみなし制度等について、実務上注意すべき点をお話しします。詳しくは、ホームページの研修案内をご確認下さい。

【実務養成講座】「労働派遣実務入門コース　コンプライアンス編　①」

～労働者派遣法に係る集中指導で是正指導を受けやすい点をつかみ対策を講じておきましょう！～
◆開催日程：2022年7月22日（金）　13：15～16：15
◆会場：Luz大森4階小会議室（JR京浜東北線大森駅下車徒歩約5分）
◆受講料金：一般　16,500円（税込）　BP会会員　13,200円（税込）
◆詳細内容： http://www.takumi-sol.com/seminar/c1_1.html#02
◆お申込み： http://www.takumi-sol.com/seminar/form.html

皆様のお申込みお待ちしております。

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ビジネスパートナーの会詳細

【オーディオセミナー情報】

職業紹介事業者・労働者派遣事業主に課せられた「事業報告書の作成」と「情報公開義務」
～「職業安定法」と「労働者派遣法」の改正により情報提供すべき項目が増えています！～

『局長通達（令和3年度）に設けられた特例措置は適用できるか』
～令和3年度局長通知で設けられた特例措置は、どうすれば適用できるでしょうか？要件を満たさず特例措置を適用させると労使協定が無効となります！～